「私のくらし」や「私の暮らすまち」を豊かにするための学びの場を食育を中心にコーディネートしているNPOです

2020年度報告

マヨネーズと醤油食べ比べ

 

10月13日、「二つの視点から考える体にいい調味料」講座をおこないました。

このたべものラボ講座はにおいや食感、味、見た目などを実際に食べ比べ、どれが好みか考えてみる講座です。

さらにはその中身(原材料や産地、製造方法)なども知った上でもう一度それらを考えて、今後自分はどんな選択をしていくのか考える講座です。

今回は醤油とマヨネーズをいくつか取り上げて考えてみました。

現代人の食の志向としては「健康志向」が高く、それ故に「カロリーを抑える」などの体に良いと感じられるような特徴を持たせた「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」「機能性表示食品」も多く出回っています。しかし実際にはそれらの機能をもたせるために、食品添加物が加えられている場合もあることを勉強しました。不安な添加物を使わなくてもちょっとした考え方でできる健康的な食事のつくりかたを考えてみる機会となりました。(I)

 

 

 

宮澤先生(上半身・手ぶり)「教科書写真無料」の画像検索結果

10月24日、まちデザイン市民講座『なぜ心に成績をつけるの? ~道徳の教科化の問題点~』をおこないました。

子どもの心を大切にする学校教育とは?を、学校の道徳の教科書を題材にお話いただきました。

講師の宮澤先生は公立の小学校の現役教諭。先生は道徳の教科書によって導かれる結論が自己責任論(自分でしっかりしなさい)というところに誘導されることを危惧されています。教科書を最後まで読まずに主人公が悩む場面や問題が起こる場面まで読むのをやめて、そのあとについては子どもたちが意見を出し合うという授業をすすめられています。そのことで色々な考え方があっていいこと、他者を認める事が学べるのだな、と思いました。

また障がいがあるこどもを「支援」の名のもとに合理的排除をしないことも必要だと考えられています。

私たちは、学校の道徳の公開授業を見に行って、まずは知ること、そして学校全体への意見を出すことなどができるのだなと思いました。

学校教育の場面だけでなく、子どもだけでもなく、家庭や地域で人に向き合う時全てに必要なことを教えていただいた思いがしました。(I)

 

 

 

 

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<講座報告>

講師:藤原辰史さん(京都大学人文科学研究所 准教授)

日時:2月3日(水)10:30~12:30

講師の藤原先生は、約100年前に起こったスパニッシュ・インフルエンザと、今回のコロナパンデミックを比較分析され、時代背景に違いはあるものの、人の移動がウイルスを運ぶこと、弱者がリスクにさらされやすいことなど多くの類似点がありながら、その歴史が生かされていないと指摘されました。

また、新型コロナウイルスは、現代社会にとって「抜き打ちテスト」だと表現され、生命までもが商品化される新自由主義の限界が露呈したものであり、経済活動がいつストップしても人間が生きることのできる社会が形成されているのかどうか、「食と農の思想」をどこまでの覚悟と緊張感を盛って紡ぐことができるのかを問われている、と話されました。

今後は、食から根本的に世界を作り直すことが必要であり、そのために主体を分散させる「植物の思想」、原発など分解できないものは作らない「分解の思想」そして、本来共有すべきものを商品化しない「縁食の思想」の三つの視点を持つことを提案されました。

社会を変えるためには、地域にたくさんの面白い場所を作りそれをつなげることが大切であり、たとえば講座の中で紹介された興味深い本を一人で読むのではなく、その内容について語り合う「読書会」を二人から始めては?と結ばれました。

<講座の中でご紹介いただいた本の一部>

藤原辰史「分解の哲学」 スコット「反穀物の人類史」村上陽一郎「ペスト大流行」ポールロバーツ「食の終焉」

アプトン「ジャングル」エリック・シュローサ―「ファストフードが世界を食いつくす」

 <アンケートから>

・コロナにより社会の歪みがより大きく表面化したこと。起こるべくして起こったパンデミックと再認識しました。今後どう生きていくか、何ができるかと自問してますが、小さな集団からでも、と力をいただきました。

・期待以上の講座でした。そのなかで、「知識の共有」(この講座も正にそうですが)が第一歩で、踏み出せそうな気がしました。今ともに目指してゆくのは自治という道だと実感できました。

・新自由主義、脱成長、地球温暖化、持続可能な社会を目指して自治の思想コモンについてのお話は、口コミの拠点づくりから、に納得です。

・より多くの方が心豊かに暮らしていけるよう、農、食でつながる地域の仲間の輪を作っていきたいと考えております。

・地域の小さな実践や行動で新自由主義を切り崩していこうという呼びかけ、それに応える人たち、共感する人たちがおおぜいいるということを強みに変えて、コロナ後を見据えた活動をしていかなければと思いました。

・このタイミングに、マスコミなどでは聞けないお話を題材に取り上げて戴き感謝しております。

・この国を作って来た大人とそこに無関心だった、行動してこなかった私も含めた大人の罪は重いととても暗い気持ちになりました。子どもたちの未来のためにも、未来を生きる子どもたちのためにも、私たち現役の親世代の意識、行動はとても大切だと改めて思います。「食べること」は子どもにもわかりやすい入口だと思います。先生の「食べるとはどういうことか」なども再読し、子どもの心に寄り添いながら、家族でもコロナ禍の今と未来を話していけたらと思います。

 

 

 

 

 

 

講師:安部司さん(食品ジャーナリスト、(一社)加工食品診断士協会 代表理事)

日時:12月11日(金)10:30~12:30

<報告>

コロナ禍にあって、家族揃っての自宅での食事の機会が増えました。毎回の食事の支度も大変、調理済み加工食品の登場回数も増えています。簡単で便利な食品の裏側を次々にお話しくださいました。とくに、カップ麺や袋入りスナック菓子、炭酸飲料など超加工食品と呼ばれるものには、食品添加物がたくさん使われていますが、一番の問題点は塩分・油分・糖分を気づかないうちに摂りすぎてしまうこと、と指摘されました。

例えば、インスタント麺のスープの塩分は海水より濃い(絶対塩度)のに、食品添加物やたん白加水分解物などによって、おいしい(舌感塩度)と思えてしまったり、カップ麺にはフライすることによる油が隠れていたり、清涼飲料水には10%以上の糖分が含まれていたり…。健康に気を遣う人が増えているのに、これでは元も子もありません。きちんと選べるようになることが大切です。

最後に、刻み昆布や削り節を使っただしの取り方も披露、「無添加時短和食」を勧められました。

受講生の皆さんにとっては、選んで食べることの大切さをあらためて感じていただけた講座でした。

<アンケートから>

・改めて食べている物で自分の体が作られていること、安心安全な食の確保に個々人ができることは何なのかを考えさせられました。

・『安くて、早くて、簡単で』この言葉には、弱いです。でも、本当の中身を知ったら、買わなかったり、自分で作ったりすると思います。塩分も、砂糖も、必要だった。それらを使わないことで、もっと恐ろしいもの(食品添加物)が、入ることになってしまいました。

・今回はじめて『超加工食品』という言葉を聞きました。

消費者の欲望と企業のもくろみが見事に一致している現状を苦々しく思います。そして『簡単便利に』を追求する多くの人が時間とお金に追われていることが悲しく、矛盾を感じます。また、情報に惑わされ、自然から遠ざかってしまっていることが諸悪の根元となっていると思います。

・『子供は親が与えたものを食べている』『そして、その食べ物で細胞は作られ、体を形成している』ことを改めて考えたいと思いました。

 

 

【講座報告】

講師:阿部潔さん(関西学院大学社会学部 教授)

日時:11月7日(土)14:00~16:00

「見ること」と「すること」の循環があってこそ楽しいスポーツ、そんなスポーツが好きだからこそ、見せ物になりナショナリズムの象徴になっているオリンピックに疑問を抱かざるを得ないとおっしゃる講師の阿部さん。そもそも何のために「東京オリンピック」は招致されたのか、何かを成し遂げた結果がレガシー(遺産)であるはずなのに、なぜはじめから「東日本大震災の復興」や「コロナに打ち勝った証」が東京オリンピックのレガシーとされるのか、「きずな」をアピールし「希望」をちらつかせることで、いつの間にか「決まったのだからいいものに」「実施するなら楽しもう」と思わされているのはないか、都民の税金がかなり使われているにもかかわらず、都民に何も問われてこなかったのではないか…などなど、具体的な事例や解説を加えながら、オリンピックにまつわるたくさんの疑問点を示してくださいました。

そして、コロナの閉塞感も手伝って「何もないよりは希望がほしい」という気持ちになる今、大切なのは現実からの逃避ではなく向き合うことであり、より人間的な日常生活を作り上げることが求められると結ばれ、受講生の皆さんへの大きなメッセージとなりました。

<アンケートから>

・本日の講座ではさまざまな角度から問題点が検証されており、改めて深刻さに気付かされました。東北の被災地に行く機会が多いので、復興五輪どころか復興の足を引っ張っていることは痛感しています。延期ではなく返上すべきだと思います。

・東京オリンピックを通して今の社会に生きる私たちのことを深く考える事ができ、良い勉強になりました。「大きく反対と言わなければ通ってしまう社会」と言う言葉が、まさしくその通りで。社会の事象を深く見ることの大切さを教えていただきました。ありがとうございました。

・特定の人だけが利益を得るそのようなオリンピックは辞めてほしいです。私に出来ることは、難しいかもしれませんが、言葉を考えながら身近な人から伝えていくことではないのかな。と思っています。

 

1.原田禎夫さんパソコン画像(プラシチックを食べた鳥と受講者)パソコン画像(プラゴミゼロクーポン)

【講座報告】

2020年11月28日(土)

講師:原田禎夫さん(大阪商業大学公共学部准教授 NPO法人プロジェクト保津川代表理事)

プラスチックは今や私たちが目で認識できる以外の沢山のモノにも含まれ、生産量は世界中で増加の一途をたどっています。そのゴミが海に流れ出し、世界の水道水の8割から検出されるなど、すでに人体に取りこまれているという事実を知りました。

講師が調査された川では「元が何かを知ることのできるプラスチック」の中で一番多かったのは人工芝だそうです。表面が削り取られて飛んでいく人工芝のプラスチックゴミはポイ捨てと違いコントロールできないもの。このことからもプラスチックの総量が問題であると感じます。

コロナで進んだテイクアウトやマスクなどにより、プラスチックゴミは1割も増えたなど、様々な現状共有の後、講師の原田先生が研究・行動されていらっしゃる川の様子とそのゴミを減らす具体的な活動についてお聞きしました。京都府亀岡市で施工されたレジ袋禁止条例やレストランのマイバッグ・マイ容器持参で割引、クーポンの活動など、思い切った打ち出し方や楽しさのある取り組みのご紹介もいただきました。また原田先生は社会を変えていくために、政治家を選ぶ・政治に参加することも大切と結ばれました。写真はオンライン講座のパソコン画面です。①鳥の内臓から多量のプラスチックが検出された②プラスチックゴミを減らすクーポン活動 (I)

<アンケートから>

・こんなに深刻な事態になっているとは知りませんでした。原子力の廃棄物と同じくらいの大問題であることを実感しました。

・一人でやるのではなく、仲間を募る。みんながのっかれるような取りくみをする、というのはなるほど!と思いました。落ちているゴミにイライラしつつ、家族で拾っているだけだったけど、SNSで発信したり、一緒に拾おうよ!といってみるとか、ちょっと勇気を出して、動いていけたらいいなと思いました。

・亀岡市などでの地域での市民の取り組みと行政と専門家がつながっての動きは非常に参考になり、「おまかせにしない」活動として興味深いものでした。

【講座報告】

講師:杉浦俊彦さん(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 栽培・流通利用研究領域 上席研究員)

日時:1月16日(土)14:00~16:00 オンライン講座

日本の平均気温はこの100年で1.2℃上昇しており、近年は高温年の頻度が高くなっているそうです。人間や家畜と違い、植物の成長は温度によって制御されるため、最近は高温障害(果実の着色不良、発育不良、味覚への影響など)が頻繁に起こっています。秋に越冬と発芽の準備をする植物には、高温が続くと春の開花に影響が出ます。桜が咲かなくなる可能性もあるとのこと!しかも今後の100年ではさらに1.1~4.4℃の上昇が予測されています。

温暖化に対しては、緩和策(温室効果ガスの削減)と適応策が必要です。が、これまで温暖化適応という概念はなく、「適応策」が講じられるようになったのは最近のことです。適応策には、栽培技術での対応、温暖化対応品種の利用、作物転換がありますが、コストはだれが負担するのかなどの課題も多いようです。

緩和策については、農業の現場でできることもありますが、私たち消費者の食べ物の選び方も大切です。なぜなら、国内に耕作放棄地がありながら農作物を輸入に頼る日本は、輸送においてCO2を排出しているからであり、その農作物を生産するために世界の森林が伐採されCOの吸収ができなくなっているからです。自給力を高め、地産地消の意識を持つことの重要性について、あらためて考える機会となりました。

 

<アンケートから>

・地球温暖化。全体で僅か1℃でも、高温が多発する。植物は温度に敏感だと。自給率の極端に低い日本は、これからどうしていけばいいのか心配になる。作物が不作なら、まずは、自国優先で、いくらお金を払っても売ってもらえない事態も起こってくるかもしれない。やはり、日本も経済優先ばかりでなく、農業に力を入れて、自給率を上げていくべきだと思われる。日本はもっと種を大切にすべきではないか。温暖化に対して、関心が低すぎるのではないか。大雨が降って川があふれ、初めて危険を感じ、大きな台風が来て初めて恐れおののく。太陽が燦燦と降り注いでいるにもかかわらず、電気やガスで洗濯物を乾かし、冷暖房は使い放題。温室で作った季節外れの野菜があって当然と思い、エネルギーに対する感覚がマヒしてきているのではないかと。

・海外に食料などを依存している私たちが間接的に森林伐採に加担しているのだと思うと、そんなことも周りに伝えていけたらいいなと思いました。

・温暖化が農作物の成長に与える影響の仕組み、現在の対策の現状、今後の課題まで詳しく教えて頂き、ありがとうございました。

・食料自給率の問題も含めて今からの不安定な時代に食料問題ほど大事なことは無いと改めて感じられる講義でした。

<参加されたかたのブログのご紹介>

https://food-mileage.jp/2021/01/18/blog-297/

 

きまぐれ茶屋から山を望むフレコンバック田んぼにはSANYO DIGITAL CAMERA

講座は終了しました。報告は後日掲載いたします。

福島で始まっている地域の再構築に向けた新たな取り組みにコロナの影響は? 現地に寄り添って活動する講師に伺います。

講師:石井秀樹さん(福島大学農学群食農学類生産環境学コース 准教授)

日時:2月13日(土) 14:00~16:00

 

 

スクリーンの中沢さん4.石川美香さん(BELLE)ワンプレート料理WEB用

コロナの状況を鑑みて中止とさせていただきます。

スーパーに並ぶだし入り味噌の原材料や製造方法を知り、「だし」と「味噌」の多様な組み合わせの味噌汁と味噌料理を楽しみましょう。当日仕込んだ味噌のお土産あり。材料費別途300円程度。

試食と味噌のおみやげがありますので、オンライン参加は不可です。

(写真の料理は2020年度前期「その味噌本当に発酵食品?」講座のものです)

講師:中沢尚人さん(㈱マルモ青木味噌醤油醸造場技術部)

石川美香さん(料理研究家、クッキングスタジオBELLEインストラクター)

日時:3月4日(木)10:30~12:30

会場:生活クラブ館(小田急線経堂駅下車徒歩3分)

受講料:一般 1,500 CS会員 1,350円 生活クラブ東京組合員 1,425円

お申し込みはこちらから https://lolipop-5805031e08a5bb2a.ssl-lolipop.jp/?page_id=156

 


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